或るバイト時、大変不快事有(仮)
※誤字訂正や内容追加など随時おこないます、
バイト先の同僚のことが明確に嫌いになった、と思った。
そう思った翌日もその翌日も、休憩が一緒で、彼は相変わらず話しかけてきたが、最初は目を合わせず表情も変えず応答していたが、だんだんと憎しみが薄れてきてしまった。
しかし、あんなに急に一気に頭に血が上る経験をしたのはいつぶりだろうか その時の気持ちは忘れたくない。
なかなか文章では伝わりづらい部分もあると思うが、書かずにはいられないので、とりあえずこのはてなブログに記す、読んでくださると幸いだ、感情がエピソードとして昇華(sublimation)される気がする。
わたしが今やっているバイトは夜勤の警備である 工事により通行止めが生じている道路に立ち、車両などを誘導する。
現場仕事なので、どんなパワハラにも耐える所存で入ったが、むしろ工事現場から聞こえてくる語気の強い言葉と比べると、驚くほど先輩達は優しいと感じてきた。
拘束時間は一番長くて19:45〜5:00で1万4000円貰える。一番短くて0:00〜5:00で1万3000円貰える。実際5時まで拘束されることはなく1時半に終わったこともある。時給計算するとなかなか良いバイトだが、主なストレスは何もせずに車も一台も通らない時間が暇過ぎるが、スマホを触れないため、思いついたことをメモれずつらいということだ。これについてはまた別の記事で触れようと思う。まぁしかし7時間拘束でも時給2000円なので文句は言えないなといつも思っている。
派遣される現場は日によって異なるが、15回くらい現場が同じになり、90分立哨しては30分休憩というサイクルの中で、休憩が一緒になるととにかくよく話しかけてくる警備歴20年以上のメガネのスキンヘッドで顔が丸い、1980年生まれの同僚がいる。他の同僚はむやみやたらと話しかけてき過ぎるということはない。休憩が一緒になっても特に話題がなければお互いスマホを触っている。しかし、この人だけはとにかく話しかけてくる。自分がその時言及し得ることはすべて相手に対して発さないといけないという使命感に駆られているとしか思えない。botだと思っている。そのためとにかく同じ話をしてくる。それは雑談から説教じみたものへと及ぶ。しかし、そこに感情の奥行きは見られない。とにかく何か喋れるなら喋ってるという感じだ。しかし、とにかく多くのことをこの2ヶ月ちょっとの間に話された。
・柔道のインターハイに出たことが誇り
・高校を2回留年している 停学になったこともあり、それで寺に送られたこともあるらしい
・釣りの世界大会で優勝したことがある。
・多摩川で鰻を釣ることができる 下流だと漁業権関係ない 深大寺というところで沢山ミミズがとれてそれで釣れる ペットボトルを使って釣ることもできる YouTubeの企画に良いんじゃないかと言われた エイとかも釣れるらしい(詰所で休憩時間に動画編集していたため僕がYouTubeをやってることはバレている)(この話は3回はされた)
・本当に何の脈絡もなく「YouTuber!」とか言ってくる YouTube最近やってるのか いえ最近上げられてないです やめたのか やめたわけではありません このようなコミュニケーションは何回もした。
・調理師免許持っている 割烹で働いていたがこのバイトの方が割りが良いらしい
・amazonで低温調理器を2個も買ってしまった
・備蓄米はガス炊きすると食べられるが、炊飯器だととても食べられたものではない。
・探偵物語の助監督がこのバイトをしてたらしい 終電後の新宿駅の警備とかの時、その無人の新宿駅の様子に関心を持ってたらしい(この話も3回はされた その度に「俺達の仕事は普通の人が入れねぇところを見られるから」という)
・秋田県の人は顔が丸いという 秋田県出身有名人の話になり ハナコ岡部 佐々木希 藤あや子などの名前が上がる中、いけちゃんの写真を見せたらほらやっぱり顔丸いでしょと言った
・釣竿つい沢山買ってしまうのが怖いのでクレカを持たないようにしているらしい
・自宅にフライパン8個ある
・好きな音楽のジャンルはメロコア 代表的なアーティストはMUCCでとにかく歌詞が暗いビジュアル系が好き 歌詞が暗過ぎて、自分より絶望している内容で安心できるのだという
・地元の最低賃金が低いというだけの理由で東京に住んでいる
・親が地元のB級グルメを考案したらしい
・将太の寿司を知っていた
・最近のアーティストでは米津玄師と秦基博を評価している
・同じ場所で立哨して一緒に詰所に休憩しに行くときに、あまりに歩くのが遅いのでそのことを指摘したら「俺はトボトボ歩くのが好きなんだよ」と言う。
・関西人のくせに僕は滑舌が悪くもごもご喋る(そいつの滑舌にしてもかなり悪いのだが)
・口癖は「見とけ〜」「覚えろ〜」「笑いごとじゃなくて」「俺らの仕事は、危ねぇ!を言うだけの仕事 危ないと思ったらとにかく止めとけ」 どの会話の流れからこういった説教パートに繋げられるかわからない シフトどれくらい入ってるか→上手くならないと入れてもらえなくなるぞ今は人足りてないから良いかもしれないけど→言っとくけど俺ら給料一緒だから 固定メンバーが4人くらいいるが別にできるなら誰がきてくれても俺らとしちゃ別にカンケーねぇから そして、一度車両誘導の際、僕がすみやかに歩行者誘導に移れなくて今の伊東くんのは50点以下と言われたことがあったが、その件を何回も引き合いにして、今の君じゃあリーダー会議で伊東くんどうですか?と聞かれても、伊東くんだめですと言うしかないとかみたいな話をめっちゃしてくる。一回言えばわかるのに。
まぁ、とにかく聞きたくもないつまらないおじさんの話を聞くことで休憩中メモやTwitterや動画市長の時間なども奪われてて、でもそれはまぁ感情労働みたいなもので、職場の人間関係を良好しておけば後々ラクだろうしということで受け入れていたが、それはただの希望的観測だったようで、この人の話を聞くのを受け入れててもこんなぞんざいなことを言われるのである。
ただそうはいっても休憩中、その人の好きそうな話題を引き出すと嬉しそうに話す。話したそうなことを話させておけば相手は満たされるだろうし、これは意味があることだと思っていた。私も思い上がっていた。話を聞いて「あげてる」のだから、相当好かれていて当然だと。
そして大不快事の日のことだ
通行止めをしていて、それが解除されたため、様々なものを片付けるという段にあって、
別のKさんという作業員の人と僕が、現場を囲うための三角コーンとバーをもっと重いバリケードに置き換えるという作業を、路上に並べた三角コーンを取ってくるという作業より優先していたため
そいつは「Kさん、鈴木くん、路上の三角コーンが先」
と言った。
そう、15回くらい同じ現場になっている僕の名前を間違った名前ではっきりと言い切ったのだ。
一応擁護できる点はあり、僕と同じ大学の者がもう一人このバイトをやっており、彼の名前は鈴木という 混同したのだと思う でも僕の名前を覚えて欲しくて僕はこう言った。
「鈴木くんて誰ですか」
へ?
「僕、伊東です」
それに対してこいつは「くそだか何だかしらねぇけど早くコーン持ってこい」と言った。
その瞬間一気に頭に血が上る感覚があった。狼狽した。ブチギレるべきだった。「まずはごめんなさいちゃうんけワレ」と首根っこ掴んで言うべきだった。しかし急にキレる新人だと思われるわけにも、上に報告されるわけにも、現場の空気を悪くするわけにもいかなかった。大切な収入源だ。これほどまでに自分は無力なのかと思った。怒りは2次感情だと言うが、1次感情の悲しみ悔しさは見えなかった。そしてやりきれなさだけが襲ってきた。こんなやつのことを突き飛ばせない、こんな奴が上司のバイトを辞めることになったら困ると思っている。
あと、一言謝ることが人間の感情にとってこんな大事だとは知らなかった。一言、「あ、伊東くんね」だとか「ごめん」だとかあれば全く問題なかった。こいつが人の名前を覚えるのが苦手なのは知っている。そもそも同じ話を何回もしてしまうのは記憶力が低下しているからだし。
しかし謝ってくださいと言っても無駄だ。今までの会話からして、こいつは俺がどう思おうが知ったこっちゃないし、仕事で使えるかどうかが全てなのだ。今まで談笑の相手をしてきたのは無駄だった。こんなに礼儀がないことをしても何が悪いかわからないと思う。勿論それは僕の決めつけだが。
もう1秒もこいつのためにカロリーを使って1つの脳細胞も動かしたくないと思った。
これがその直後のツイートです。


その後、なんだその目は、と言われないような目を続けるのがかなり難しかった。ここで不機嫌になっても仕方ない。こいつは自分が言ったことすら忘れていると思うから。
昔から一度嫌いな人ができると毎日学校が辛かった。親に泣きついたこともあった。しかし人間関係に対する潔癖さを特に大学入学後は全人口の中でもかなり持っていない方になれたと思っていた。しかし僕はまだまだ営業職とかは当然能力のみならず対人受容度的にも無理な、全然大人になれていない存在だった。お金のためであればどんな感情労働も引き受けなければならない。
このような気持ちを抱きながら帰路についた。
しかし、翌日翌々日も休憩が一緒で、まだストレスではあったが、もう大丈夫になってしまった。
彼は家で作ったハンバーガーの写真を見せてくれた。ハンバーグを普通に作る時より圧縮しないとフワフワ過ぎてハンバーガーに挟むハンバーグとしては不適な感じになるのだという。
なんか相手を赦せてしまったことは、僕の青年期が完全に終わったみたいで、哀しい。
PS 今日会社から全体LINEで昨日彼が脳梗塞で倒れたことを知った なんかこんな悪く言ってしまい申し訳なくなった 同じ話何回もしてしまってたのは絶対その前兆やん 意識はあって会話はできるらしい 本当によかった。
しかし、なんとも微妙な気持ちになる話で、そのため公開するかどうか大変迷いはした。
了